新ビジネス次々発信!神山に移住相次ぐ










人の心を和ませる自然と、インターネットの高速通信環境を兼ね備え、IT関連を中心に東京や大阪などの11社がSOを置く神山町。2014年も若い世代を中心とした移住が相次ぎ、新しい働き方やビジネスモデルが全国に発信されました。

SOのデザイナーらは、放置された山林の有効利用を探る協同組合「樵木屋(こりきや)」を設立しました。木を細かく砕いて圧縮した小粒の固形燃料「ペレット」の生産、販売を手がけます。「放置された山林をどうにかしたいと思った。地域の主要エネルギーに育てたい」とソフトウェア開発が本業の仁木島昭さん(52)。林業従事者だけが悩んでいた問題に、他分野の移住者が田舎で暮らすうちに関心を向け、一緒になって解決に乗り出しました。


主要施策として「地方創生」を唱える政府も神山に注目しています。内閣官房は30代の企画官1人を町内に派遣。企画官はインターネットのテレビ会議システムなどを使い、場所にとらわれず働く「テレワーク」で公務をこなしました。6日間の滞在を終えた企画官は、「東京一極集中から抜け出す必要性を強く感じた」と言って帰京しました。


6月には、SOから発展した映像制作会社「えんがわ」が中心となり、宿泊施設を運営する会社「神山神領」を立ち上げました。施設建設に約1億円を投じ、移住・交流支援事業に取り組むNPO法人グリーンバレーと町の協力も得て来春オープンを目指しています。ターゲットにするのは観光客ではなく、大都市のビジネス層です。


町にはここ数年、新しい動き方に関心を持つ2千人近くが毎年視察に訪れています。SOを試験的に開設したいとの希望も少なくありません。神山神領の代表取締役を務めるえんがわの隅田徹代表(52)は「働き方を模索している都市企業の受け皿になりたい」と力を込めます。


町を盛り立ててきたグリーンバレーの大南信也理事長は言います。「移住者のおかげでタケノコのようにアイデアが出てきた。人が集まれば自ずと変化が起きるんです」


神山神領が動き出す15年、神山は新たにどんな姿を見せてくれるでしょうか。

(徳島新聞 2014年12月22日)